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お知らせ

Scalable Networking Pack (SNP) の使用上の注意事項について

更新日:2021年9月24日

Windows Server 2003 Service Pack 1 以降、ネットワークアダプタのネットワーク高速化機能やハードウェアベースのオフロードテクノロジを使用し、ネットワークのスループットを向上させるための機能としてMicrosoft社よりScalable Networking Pack (以降、SNP) が提供されております。この機能は、Windows サーバ OS とネットワークドライバ、およびネットワークアダプタが連携して実現されているものです。

SNPの使用にあたって

SNP については、ネットワークアダプタでもSNP を使用するための設定、チューニングを行った上でネットワーク接続機器を含めたシステム全体での検証が必要です。お客様環境・運用を想定した十分な事前評価を実施いただき、問題ないことを確認の上ご使用ください。なお、ネットワークアダプタ上でSNP の使用にあたり必要となる設定、およびチューニングの内容については、ご使用のネットワークアダプタの製品担当部門へご確認ください。

ネットワークアダプタの問題

一部のネットワークアダプタ(オンボード/オプション)にて、SNPの機能の1つであるRSSに関連した問題が内在していることが判明しました。 本ハードウェアの問題を回避するために、ネットワークドライバにて回避する方法をお願いいたします。

手順は「ドライバのアップデートと設定変更について」をご参照ください。

対象OS

  • Windows Server 2003 (*1)
  • Windows Server 2003 R2 (*1)
  • Windows Storage Server 2003 (*1)
  • Windows Storage Server 2003 R2 (*1)
  • Windows Server 2008
  • Windows Vista
  • Windows Server 2008 R2
  • Windows 7
  • Windows Server 2012
  • Windows 8
  • Windows Server 2012 R2
  • Windows 8.1
  • Windows Server 2016
  • Windows 10
  • Windows Server 2019
(*1)Windows Server 2003 ファミリの SNP 対象 Service Pack について
Windows Server 2003 ファミリは Service Pack 1 以降が SNP 対象となります。
Service Pack 1 では、KB912222 を適用することで SNP が有効となります。
Service Pack 2 以降にはKB912222 が含まれております。

SNP のデフォルト設定

SNP には次の3つの機能が含まれています。

  • TCP Chimney Offload
    TCP オフロードエンジン(TOE)を実装したネットワークアダプタにパケットの分割と再構築を含むネットワークパケット処理タスクをオフロードする機能。
  • RSS
    ネットワークアダプタの拡張機能を利用し、受信ネットワークトラフィックの処理を複数の CPU に分散する機能。
  • NetDMA
    Intel I/OAT などの高度な直接メモリアクセステクノロジのサポートを可能とし、メモリ間のデータ転送による CPU への処理を軽減する機能。

各々の機能はデフォルトで以下のように設定されています。

以下は OS のデフォルト設定となります。EXPRESSBUILDER 等で OS 設定が変更されている場合があります。
また、SNP の各機能を有効にする場合は、OS 設定と合わせてネットワークアダプタでも有効に設定していただく必要があります。

  • Windows Server 2003
  • Windows Server 2003 R2
  • Windows Storage Server 2003
  • Windows Storage Server 2003 R2
   
TCP Chimney Offload: 有効
RSS: 有効
NetDMA: 有効


  • Windows Server 2008
  • Windows Vista
   
TCP Chimney Offload: 無効
RSS: 有効
NetDMA: 有効


  • Windows Server 2008 R2
  • Windows 7
   
TCP Chimney Offload: 自動
RSS: 有効
NetDMA: 有効

TCP Chimney Offload の「自動」は、ネットワークアダプタ設定において TCP Chimney Offload が有効且つ 10Gb イーサーネットなど高速なネットワーク環境を利用している場合に有効となります。


  • Windows Server 2012
  • Windows 8
  • Windows Server 2012 R2
  • Windows 8.1
  • Windows Server 2016
  • Windows 10 バージョン 1803(Redstone 4)以前
   
TCP Chimney Offload: 無効
RSS: 有効
NetDMA: 非サポート

  • Windows Server 2019
  • Windows 10 バージョン 1809(Redstone 5)以降
   
TCP Chimney Offload: 非サポート
RSS: 有効
NetDMA: 非サポート
 
 Windows Server 2019 や Windows 10 バージョン 1809(Redstone 5)以降ではRSSのみ存在しております。

SNP の設定を確認する方法について

SNP は以下の方法で設定を確認することが可能です。対象OSにより方法が異なります。

Windows Server 2003 ファミリ

[対象OS]
  • Windows Server 2003
  • Windows Server 2003 R2
  • Windows Storage Server 2003
  • Windows Storage Server 2003 R2

[手順]
    レジストリエディタを起動し、以下のレジストリ値を確認してください。レジストリが作成されていない場合は、デフォルトの設定となります。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters

名前 : EnableTCPChimney
・・・TCP Chimney Offload の設定が確認可能です。
 0:無効
 1:有効

名前 : EnableRSS
・・・RSS の設定が確認可能です。
 0:無効
 1:有効

名前 : EnableTCPA
・・・NetDMA の設定が確認可能です。
 0:無効
 1:有効

Windows Server 2008 ファミリ

[対象OS]
  • Windows Server 2008
  • Windows Vista
  • Windows Server 2008 R2
  • Windows 7

[手順]
  1. レジストリエディタを起動し、以下のレジストリ値を確認してください。レジストリが作成されていない場合は、デフォルトの設定となります。

    HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters

    名前 : EnableTCPA
    ・・・NetDMA の設定が確認可能です。
     0:無効
     1:有効
  2. 管理者として実行したコマンドプロンプトを起動し、netsh コマンドで以下を実行してください。

    netsh int tcp show global

    表示される以下の内容より設定を確認してください。

    Receive-Side Scaling 状態
    ・・・RSS の設定が確認可能です。
     disabled:無効
     enabled:有効

    Chimney オフロード状態
    ・・・TCP Chimney Offload の設定が確認可能です。
     disabled:無効
     enabled:有効
     automatic:自動

Windows Server 2012/Windows Server 2016 ファミリ

[対象OS]
  • Windows Server 2012
  • Windows 8
  • Windows Server 2012 R2
  • Windows 8.1
  • Windows Server 2016
  • Windows 10 バージョン 1803(Redstone 4)以前

[手順]
    管理者として実行したコマンドプロンプトを起動し、netsh コマンドで以下を実行してください。

netsh int tcp show global

表示される以下の内容より設定を確認してください。

Receive-Side Scaling 状態
・・・RSS の設定が確認可能です。
 disabled:無効
 enabled:有効

Chimney オフロード状態
・・・TCP Chimney Offload の設定が確認可能です。
 disabled:無効
 enabled:有効
 automatic:自動

netshコマンドを実行した際、"NetDMA 状態"という項目が表示されますが、NetDMAは Windows Server 2012/Windows Server 2016 ファミリでサポートされておりませんので、NetDMA 状態の表示は無視してください。

Windows Server 2019 ファミリ

[対象OS]
  • Windows Server 2019
  • Windows 10 バージョン 1809(Redstone 5)以降

[手順]
    管理者として実行したコマンドプロンプトを起動し、netsh コマンドで以下を実行してください。

netsh int tcp show global

表示される以下の内容より設定を確認してください。

Receive-Side Scaling 状態
・・・RSS の設定が確認可能です。
 disabled:無効
 enabled:有効

SNP を無効にする手順について

SNP は以下の手順にて無効にすることが可能です。対象OSにより方法が異なります。
SNPを有効化する必要がある場合はこちらを参照ください。

[重要]
    手順には、レジストリの編集方法が含まれているものがありますが、レジストリを誤って変更すると、深刻な問題が発生することがあります。レジストリを編集する際には十分に注意してください。万一に備えて、編集の前にバックアップしておく等トラブル対策を実施することをお奨めします。なお、 レジストリの操作についてはお客様責任のもと行って下さい。

Windows Server 2003 ファミリ

レジストリを編集することで SNP を無効にします。

[対象OS]
  • Windows Server 2003
  • Windows Server 2003 R2
  • Windows Storage Server 2003
  • Windows Storage Server 2003 R2

[手順]
  1. レジストリエディタを起動し、以下のレジストリ値を 0 に設定してください。レジストリが作成されていない場合は、キーを作成し、値を 0 に設定してください。

    HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters

    名前 : EnableTCPChimney
    種類 : REG_DWORD
    値 : 0

    名前 : EnableRSS
    種類 : REG_DWORD
    値 : 0

    名前 : EnableTCPA
    種類 : REG_DWORD
    値 : 0
  2. 設定後にOSの再起動を実行してください。

Windows Server 2008 ファミリ

ツール実行による無効化と、レジストリ編集とコマンド実行による無効化の2つの方法があります。

方法1: ツール実行による無効化
SNP 無効化ツールを実行することで SNP を無効にします。

[対象OS]
  • Windows Server 2008
  • Windows Vista
  • Windows Server 2008 R2
  • Windows 7

[手順]
Windows Server 2008、Windows Vistaでは設定を変更する一部のnetsh コマンドを実行することで特定のレジストリの設定が意図せず変更される問題があります。
Windows Server 2008、Windows Vistaにおいて手順を実施する際には事前に(*2)の内容をご確認ください。
  1. 以下よりScalable Networking Pack (SNP) 無効化ツール(DSSNP.exe) をダウンロードしていただき、実行してください。

    Scalable Networking Pack (SNP) 無効化ツール
  2. 解凍されたフォルダ配下にある readme.txt の手順に従って、SNP 無効化ツールを実行してください。
  3. OS 再起動を実行してください。

方法2: レジストリ編集とコマンド実行による無効化
レジストリ編集と netsh コマンドを実行することで SNP を無効にします。

[対象OS]
  • Windows Server 2008
  • Windows Vista
  • Windows Server 2008 R2
  • Windows 7

[手順]
Windows Server 2008、Windows Vistaでは設定を変更する一部のnetsh コマンドを実行することで特定のレジストリの設定が意図せず変更される問題があります。
Windows Server 2008、Windows Vistaにおいて手順を実施する際には事前に(*2)の内容をご確認ください。
  1. レジストリエディタを起動し、以下のレジストリ値を 0 に設定してください。レジストリが作成されていない場合は、キーを作成し、値を 0 に設定してください。

    HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters
    名前 : EnableTCPA
    種類 : REG_DWORD
    値 : 0
  2. 管理者として実行したコマンドプロンプトを起動し、netsh コマンドで以下の設定を実行してください。

    netsh int tcp set global chimney=disabled
    netsh int tcp set global rss=disabled
  3. OS 再起動を実行してください。

Windows Server 2012/Windows Server 2016 ファミリ

netshコマンドを実行することで SNPを無効にします。

[対象OS]
  • Windows Server 2012
  • Windows 8
  • Windows Server 2012 R2
  • Windows 8.1
  • Windows Server 2016
  • Windows 10 バージョン 1803(Redstone 4)以前

[手順]
  1. 管理者として実行したコマンドプロンプトを起動し、netsh コマンドで以下の設定を実行してください。

    netsh int tcp set global rss=disabled
    netsh int tcp set global chimney=disabled
  2. OS 再起動を実行してください。

Windows Server 2019 ファミリ

netshコマンドを実行することで SNPを無効にします。

[対象OS]
  • Windows Server 2019
  • Windows 10 バージョン 1809(Redstone 5)以降

[手順]
  1. 管理者として実行したコマンドプロンプトを起動し、netsh コマンドで以下の設定を実行してください。

    netsh int tcp set global rss=disabled
  2. OS 再起動を実行してください。

(*2) Windows Server 2008、Windows Vistaにおいて特定のレジストリの設定が意図せず変更される問題について
  • Windows Server 2008、Windows Vista にて 設定を変更する一部のnetsh コマンドを実行した際に、以下のレジストリキー配下のパラータが意図せずデフォルトに戻される現象が発生する場合があります。

    HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters

    disableTaskOffload
    EnablePMTUBHDetect
    EnablePMTUDiscovery
    KeepAliveInterval
    KeepAliveTime
    Tcp1323Opts
    TcpFinWait2Delay
    TcpMaxDataRetransmissions
    TcpTimedWaitDelay
    TcpUseRFC1122UrgentPointer
  • 変更されたパラメータはデフォルトとして処理されるため、上記を明示的にデフォルトから変更しているものがなければ、実影響は発生しません。
  • 上記のいずれかのパラメータが存在しない場合は、デフォルトと判断いただいて差支えありません。
  • 上記において任意の値に変更している場合は、netsh コマンドを実行する前に各パラメータの値を記録し、netshコマンドを実行後に元の値に戻せるようにしてください。
  • Windows Server 2008 R2、Windows 7 では本問題は発生しませんため、対処の必要はありません。

LANドライバのアップデートと設定変更について

別紙1に記載されている対象機種にて、上記の対象OSをご使用の場合は、SNPの無効化を行ったか否かに関わらず、稀にシステム起動直後より通信ができない事象が発生することがあります。別紙1を参照の上、LANドライバのアップデートおよび設定変更を実施願います。


EXPRESSBUILDERの「システムのアップデート」を適用する前に

Windows Server 2008 の場合、EXPRESSBUILDER の「システムのアップデート」を適用する前に、(*2)の内容をご確認ください。

【理由】
    Windows Server 2008 の場合、EXPRESSBUILDER の「システムのアップデート」において、netsh コマンドを使用して、SNP の無効化を実施している場合があります(上記「方法2」の 1. と 2. を自動実行します)。
EXPRESSBUILDER の「システムのアップデート」において SNP の無効化を行なっているかどうかは、当該装置添付のEXPRESSBUILDER 内のユーザーズガイド、インストレーションサプリメントガイドを参照してください。

SNP 無効化対応を行なっている場合は、以下の箇所に SNP に関する記述があります。

  • シームレスセットアップの場合:
    ユーザーズガイドの「Windows Server 2008 のセットアップ」の「シームレスセットアップ」を参照してください。
  • カスタムインストールモデルの場合:
    ユーザーズガイドの「Windows Server 2008 のセットアップ」の「カスタムインストールモデルのセットアップ」を参照してください。
  • マニュアルセットアップの場合:
    インストレーションサプリメントガイドの「システムのアップデート」を参照してください。

[注意]
  1. 装置添付のEXPRESSBUILDERのレビジョンにより異なる場合がありますので、必ず装置添付のEXPRESSBUILDERに格納されているドキュメントにてご確認ください。
  2. (*2)の内容を確認する前に「システムのアップデート」を適用した場合について
    (システムのアップデートの再適用の場合も含む)
    • 「システムのアップデート」の適用前に、(*2)に記載のレジストリキー配下のパラメータを任意の値に変更していた場合は、再度レジストリ設定を実施してください。

製品名カテゴリ

Express5800シリーズ タワーサーバ
Express5800シリーズ ラックサーバ
Express5800/ECO CENTER
Express5800/スケーラブルHAサーバ
Express5800/メニーコアサーバ
Express5800/SIGMABLADE
Express5800/ftサーバ
Express5800/InterSec
iStorage NSシリーズ
Express5800シリーズ Gモデル
Express5800シリーズ モジュラーサーバ

対象製品

品名: 製品名カテゴリに従う
  • コンテンツID: 3010102056
  • 公開日: 2019年01月18日
  • 最終更新日:2021年09月24日
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