Linux®のインストールに関するREADME

はじめに
このたびは、Express5800シリーズをお買い求めいただき、まことにありがとうございます。
本書はLinuxのインストールについて記述しています。
本「EXPRESSBUILDER®」DVDには、Express5800シリーズにLinuxのオペレーティングシステム(以降OSと略す)をインストールするために必要なもの、および追加アプリケーションとして以下が格納されています。
  • インストレーションサプリメントガイド
  • 初期設定スクリプト
  • Universal RAID Utility
  • サーバマネージメントドライバ(OpenIPMI)
  • ESMPRO/ServerAgent
  • ESMPRO/ServerAgent Extension
  • ESMPRO/ServerManager
  • ExpressUpdate Agent
  • 情報採取ツールactlog
  • kdump-reporter (※注)
  • Linux用ドライバディスクイメージ
  • アップデートドライバモジュール
  • シームレスセットアップモジュール
     
    (※注)対象OSは、Red Hat® Enterprise Linux 5.4(x86/EM64T)および

    Red Hat Enterprise Linux 5.4 Advanced Platform(x86/EM64T)のみです。
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対象OSおよび対象機種
本「EXPRESSBUILDER」DVDの対象となるOSと機種は以下のとおりです。

対象OS
Red Hat Enterprise Linux 5.4(x86/EM64T)
Red Hat Enterprise Linux 5.4 Advanced Platform(x86/EM64T)
Red Hat Enterprise Linux AS 4.8(x86/EM64T)
Red Hat Enterprise Linux ES 4.8(x86/EM64T)

対象機種
Express5800/R120b-1
Express5800/R120b-2
Express5800/T120b-M
Express5800/T120b-E
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インストレーションサプリメントガイドについて
本「EXPRESSBUILDER」DVDを使用し、Express5800シリーズにLinuxのOSをマニュアルセットアップでインストールするためには、本「EXPRESSBUILDER」DVDに格納されている以下のインストレーションサプリメントガイドを参照してください。
また、工場組み込み出荷(以降BTOと略す)およびシームレスセットアップに関連する項目も記載していますので、ご一読ください。

Red Hat Enterprise Linux 5.4(x86/EM64T)
Red Hat Enterprise Linux 5.4 Advanced Platform(x86/EM64T)
インストレーションサプリメントガイド

Red Hat Enterprise Linux AS/ES 4.8(x86/EM64T)
インストレーションサプリメントガイド
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追加アプリケーションについて
BTO時およびシームレスセットアップ時(インストール選択時のみ)に、以下のアプリケーションがインストールされます。
  • Universal RAID Utility
    (RAIDシステム構成の場合のみ、インストールされます。)
  • サーバマネージメントドライバ(OpenIPMI)
  • ESMPRO/ServerAgent
  • 情報採取ツールactlog
  • kdump-reporter
マニュアルセットアップ時やシームレスセットアップ時でも、OSインストール後にアプリケーションをインストールすることができます。actlog、kdump-reporter以外の各アプリケーションのインストールを行う場合は、本「EXPRESSBUILDER」DVDに格納されているユーザーズガイドを参照してください。

※[actlogについて]
actlogは、システムに異常が発生した際の原因切り分けを支援するツールです。
actlogのインストール、操作方法、機能については、本「EXPRESSBUILDER」DVDに格納されているリリースノートを参照してください。
actlogリリースノート
※[kdump-reporterについて]
kdump-reporterは、Linux カーネルクラッシュダンプの一次解析レポートを自動生成するツールです。
kdump-reporterのインストール、操作方法、機能については、
本「EXPRESSBUILDER」DVDに格納されているリリースノートを参照してください。
なお、kdump-reporterはRed Hat Enterprise Linux 5.4以降に対応しています。
kdump-reporterリリースノート
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初期設定スクリプトの処理概要
本「EXPRESSBUILDER」DVDに格納されている初期設定スクリプトでは以下の処理を行っています。
なお、BTO時は初期設定スクリプトが適用された状態で出荷されます。また、シームレスセットアップ時は、初期設定スクリプトは自動的に適用されます。

Red Hat Enterprise Linux 5.4(x86/EM64T)
Red Hat Enterprise Linux 5.4 Advanced Platform(x86/EM64T)
  1. 以下のドライバのアップデートを行っています。
    stex :RAIDコントローラ
  2. システムの構成によりS.M.A.R.T.機能に対応していないため、smartdサービスを停止しています。
  3. ランレベル5で起動すると、ローカルコンソールから操作不可となる問題に対応するため、起動パラメータ(rhgb)を削除しています。
  4. yum のアップデート対象からカーネル関連モジュールを除外するために、
    /etc/yum.confに"exclude=kernel-*"を付加しています。
  5. BIOS memory reporting機能が動作しなくなる問題に対応するため、OSが提供するメモリ障害監視モジュール(EDACドライバ)の一部をロード対象から除外しています。
  6. システム障害時のシステム状況をより正確に把握するため、sysstatの情報採取間隔をデフォルトの10分から1分へ変更しています。
    ⇒ sysstatの情報採取間隔の設定変更方法については、
    「設定変更について」-「sysstatについて」
    を参照してください。

Red Hat Enterprise Linux AS/ES 4.8(x86/EM64T)
  1. 以下のドライバのアップデートを行っています。
    igb :1000BASEのLANインターフェース
    megaraid_sas :RAIDコントローラ
    stex :RAIDコントローラ
  2. 「Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3」と比較して、write性能が低下する問題に対応するため、ディスクキャッシュの設定を変更しています。
    ⇒ ディスクキャッシュの変更方法については、
    「設定変更について」-「ディスクキャッシュについて」
    を参照してください。
  3. ネットワーク性能低下を回避するため、TCP Segmentation Offload(TSO)機能を無効にしています。
    ⇒ TCP Segmentation Offload(TSO)機能の変更方法については、
    「設定変更について」-「TCP Segmentation Offload(TSO)機能について」
    を参照してください。
  4. USB関連の割り込み問題に対応するため、起動パラメータ(usb-handoff)を付加しています。
  5. システムの構成によりS.M.A.R.T.機能に対応していないため、smartdサービスを停止しています。
  6. インストール後に発生するハードディスクのデバイス名の付与順序が乱れる問題に対応するため、ramdiskイメージから一部のドライバモジュールを取り除いています。
  7. x86において、Local APIC IDの値が0x10以上のシステム構成で、起動不可になる問題に対応するため、起動パラメータ(apic=bigsmp)を付加しています。
  8. BIOS memory reporting機能が動作しなくなる問題に対応するため、OSが提供するメモリ障害監視モジュール(EDACドライバ)の一部をロード対象から除外しています。
  9. システム障害時のシステム状況をより正確に把握するため、sysstatの情報採取間隔をデフォルトの10分から1分へ変更しています。
    ⇒ sysstatの情報採取間隔の設定変更方法については、
    「設定変更について」-「sysstatについて」
    を参照してください。
  10. EM64T環境の場合、プロセッサ(CPU)とカーネルの組み合わせによって、CPUが正常に認識されなくなる問題に対応するため、初期起動カーネルをlargesmpへ変更しています。
  11. NUMA(Non-Uniform Memory Access)の設定を有効化するため、起動パラメータ (numa=acpi)を付加しています。
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設定変更について

初期設定スクリプトで行っている処理については設定を変更することができます。システム運用時に変更が必要になった場合は、以下の手順を実行し設定の変更を行ってください。

設定の変更はrootユーザで実施してください。
本文中の"#"はコマンドプロンプトを示しています。

  • ディスクキャッシュについて

    対象OS
    Red Hat Enterprise Linux AS/ES 4.8(x86/EM64T)

    ディスクキャッシュの値を初期状態に戻す場合には"/etc/sysctl.conf"の以下の2行を削除し、システムの再起動を行ってください。
    [削除箇所]
    vm.dirty_background_ratio = 50
    vm.dirty_ratio = 80

  • TCP Segmentation Offload(TSO)機能について

    対象OS
    Red Hat Enterprise Linux AS/ES 4.8(x86/EM64T)

    TCP Segmentation Offload(以降TSOと略す)機能を有効にするためには、以降の手順を実行してください。
    ※ "eth0"のTSO機能を有効にする方法を例に記載いたしますので、"eth0"の部分を実際に使用するネットワークデバイス名に読み替えて実行してください。

    [一時的に有効にする方法]
    1. 以下のコマンドを実行し、ネットワークアダプタのTSO機能の有無を調べます。
      # ethtool -k eth0


      以下のように表示される場合は、TSO機能があります。
      Offload parameters for eth0:
      rx-checksumming: on
      tx-checksumming: on
      scatter-gather: on
      tcp segmentation offload: off


      以下のように表示される場合は、TSO機能はありません。
      Offload parameters for eth0:
      Cannot get device rx csum settings: Operation not supported
      Cannot get device tx csum settings: Operation not supported
      Cannot get device scatter-gather settings: Operation not supported
      Cannot get device tcp segmentation offload settings: Operation not supported


    2. 以下のコマンドを実行し、TSO機能を有効にします。
      # ethtool -K eth0 tso on


    3. 以下のコマンドを実行し、TSO機能が有効になっていることを確認します。
      # ethtool -k eth0
      Offload parameters for eth0:
      rx-checksumming: on
      tx-checksumming: on
      scatter-gather: on
      tcp segmentation offload: on


    [再起動後も有効にする方法]
    "/etc/rc.d/rc.local"の以下の設定を変更してください。
    [変更箇所]
    TSO_SWITCH=OFF
    TSO_SWITCH=ON

  • sysstatについて

    対象OS
    Red Hat Enterprise Linux 5.4(x86/EM64T)
    Red Hat Enterprise Linux 5.4 Advanced Platform(x86/EM64T)
    Red Hat Enterprise Linux AS/ES 4.8(x86/EM64T)

    sysstatの情報採取間隔を変更するためには、"/etc/cron.d/sysstat"の以下の設定を変更してください。
    ※ 1分間隔から10分間隔へ変更する方法を例として記載いたしますので、"*/10"の部分を実際に変更する値に読み替えて実行してください。

    [変更箇所]
    ・変更前
    # run system activity accounting tool every 1 minutes
    */1 * * * * root /usr/lib/sa/sa1 1 1
    ・変更後
    # run system activity accounting tool every 10 minutes
    */10 * * * * root /usr/lib/sa/sa1 1 1


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